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受水槽があるビル購入の注意点

カテゴリ:不動産投資教科書



受水槽(貯水槽)が設置されているビルを購入する際には、以下のような注意点を確認することが重要です。受水槽は建物内での給水システムの一部であり、管理が適切でないと水質の悪化や健康リスクを招く可能性があります。

1. 受水槽の仕組みと役割を理解する

受水槽の役割
上水道からの水を一時的に貯め、ポンプで建物内に供給する。
主に大規模なビルや高層建築物で採用される給水方式。

直結給水との違い:
受水槽方式は水を貯めて供給するため管理が必要。
直結給水(上水道の圧力で直接供給)は、水質管理の負担が軽いが、一定以上の水圧が必要。

2. 注意点

(1) 衛生管理の状況
受水槽は適切に清掃・点検されていないと、水質が悪化し飲料水としての品質を損ねる可能性があります。

確認すべきポイント:
清掃頻度:法令では1年に1回以上の清掃が義務付けられています。
水質検査:水道法に基づき、定期的に水質検査が行われているか。
保守記録:管理記録が適切に保存されているか確認。

(2) 受水槽の状態
受水槽の劣化状況や構造を確認する必要があります。

チェック項目:
漏水やひび割れ:タンクの内部や外部に損傷がないか。
材質:ステンレス製やコンクリート製など材質に応じた劣化リスクを考慮。
容量と適切性:ビルの規模や使用者数に対して適正な容量かどうか。

(3) 責任と法的義務
管理義務:受水槽の所有者または管理者は、水質や設備の維持管理責任を負います。
購入後は、法令(例:水道法第34条)に基づき管理義務が発生します。
専門業者の契約:維持管理は専門業者に委託するのが一般的。契約状況を確認し、購入後の引き継ぎを検討する。

(4) 運用コスト
受水槽の維持管理には以下のようなコストがかかります:

定期清掃費:1回あたり数万円~10万円程度。
ポンプの点検・修理費用:老朽化すると修理や交換が必要。
水質検査費用:水質検査の頻度によるが、定期的な費用が発生。
電気代:ポンプの稼働に伴う電気代。

(5) 設置環境の確認
設置場所:受水槽が適切に設置されているか(直射日光や外気の影響を受けない場所)。
防虫・防鼠対策:異物混入を防ぐ措置が取られているか。
周囲環境:排水設備や外部環境が水質に悪影響を及ぼしていないか。

(6) 古いビルの場合の特有のリスク
古い建物では、受水槽や配管が老朽化している可能性が高いです。
更新コストの見積もり:
受水槽やポンプの交換が必要な場合、数十万円~100万円以上の費用が発生する可能性があります。
老朽化した配管全体の交換には、さらに大規模な工事が必要。

(7) 法改正や直結給水への切り替え
現在、一部自治体では直結給水方式への切り替えが推奨される場合があります。
切り替えの可能性:直結給水への切り替えが技術的・費用的に可能かを確認。
費用:数百万円の工事費用がかかる場合がありますが、長期的には管理コストが削減されることも。

3. 購入前に行うべき調査

(1) 資料の収集
受水槽の管理記録、点検履歴、水質検査の結果を確認。
修理や交換の履歴があるか調べる。

(2) 専門家の診断
不動産購入前に、設備の専門業者に状態を診断してもらうことを推奨。
老朽化や管理不備がある場合、購入後に多額の修繕費が発生するリスクがある。

(3) 現地確認
受水槽やポンプ設備を直接目視し、異常がないか確認する。
設置場所が衛生的かどうかもチェック。

4. 購入後の管理ポイント
専門業者と契約:清掃・点検・修理を一括で依頼できる業者を選ぶ。
定期管理の実施:水質や設備の状態を定期的に確認し、問題があれば迅速に対応。
管理記録の保存:水質検査や清掃の記録を保存しておく(法令順守のため)。

まとめ
受水槽があるビルを購入する際は、設備の状態や維持管理状況を慎重に確認し、購入後のコストや義務を把握することが重要です。特に、老朽化や衛生管理の問題がないかを事前に調査し、専門家に相談することをお勧めします。


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