
はじめに
東京の高級中古マンションを購入する際、非居住者にとって最初の壁となるのが「本人確認(KYC)」「送金ルート」「名義選択」です。日本では資金洗浄防止の観点から、外国人の資金流入に対する規制や確認手続きが厳しくなっており、特に銀行送金や登記の際に問題が生じやすいのです。本記事では、非居住者が不動産購入時に直面する実務上の注意点を、KYC・送金・名義という3つの視点から整理します。
① 非居住者の口座開設・送金ルールの実情(取引目的確認・制裁/制限国対応)
非居住者が日本国内で銀行口座を開設することは難しく、多くの場合、購入代金は海外口座から直接送金されます。この際、金融機関は「取引目的確認」や「送金国・受取人の制裁リスト照会」を行うため、書類不備や疑わしい送金は差し戻される可能性があります。特に資金の出所や利用目的が不透明な場合は、送金がストップするリスクもあります。安全に送金を行うためには、契約書や購入目的を明示する書類を整え、取引金融機関と事前に相談しておくことが不可欠です。
② Source of Funds/Wealthの立証資料パッケージ(在職・残高・納税・取引履歴)
銀行や司法書士が重視するのは「資金の合法性」を示す証拠です。非居住者は資金の出所(Source of Funds)や財産の由来(Source of Wealth)を証明するために、在職証明、銀行残高証明、納税証明、過去の取引履歴などを揃える必要があります。これらが不十分だと「マネーロンダリングの疑い」と判断され、送金が拒否されることもあります。特に高額物件を購入する場合、複数年分の納税資料や給与明細が求められることが多いため、事前に準備を進めておくと安心です。
③ 名義の選択肢(個人/海外法人/SPV/信託)とFATCA・CRS対応の注意点
不動産を誰の名義で登記するかは、税務や相続にも影響します。個人名義で購入するケースが一般的ですが、資産保護や税務上の理由から、海外法人や特別目的会社(SPV)、信託を利用するケースもあります。ただし、法人名義の場合は外為法の届出や法人税申告が必要となり、信託を利用する場合も契約内容によっては課税関係が複雑化します。また、FATCA(米国)やCRS(OECD)の国際的な情報交換制度により、金融口座や取引情報が各国に共有されるため、透明性の高いスキーム設計が求められます。
まとめ
非居住者が東京で高級マンションを購入する際、本人確認や資金ルートの透明性が最大の課題となります。送金の実務を理解し、十分な証明書類を準備し、名義選択を慎重に行うことで、スムーズな取引とリスク回避が可能になります。
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